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スキップフロアとは?メリット・デメリットやおすすめの間取り実例を紹介

家選びネット公式 (ie-erabi.net) 2023-11-10
間取り・設備

立体的でおしゃれな印象に仕上がるスキップフロアは、階段の途中だけでなくリビング、寝室などで空間を有効活用できる間取りとして人気を集めています。マイホームにスキップフロアを取り入れる場合、どのような間取りの工夫ができるのでしょうか。

平屋建てにも取り入れられるのか、気になる方もいるかもしれません。今回は、スキップフロアの特徴やメリット・デメリットに加え、平屋や和室、リビングに設ける間取りの実例、建築時に後悔しないためのポイントなどを解説します。


スキップフロアとは


個性的な間取りのスキップフロア。家づくりに取り入れたいと考えている人もいるのではないでしょうか。まずは、スキップフロアの特徴や階数の考え方について解説します。


スキップフロアの特徴

スキップフロアとは、1つの階層に高さの異なるフロアがある間取りのことです。別名「ステップフロア」とも呼ばれます。


また、1階と2階の中間層に設けられたスキップフロアは「中2階」、半分地下に埋まるような形で設計されたスキップフロアは「半地下」、床から少しだけ高い位置に作られたスペース和室を指す場合は「小上がり」と呼ぶこともあります。


縦の空間に変化をつけるスキップフロアは、立体的でおしゃれな空間を実現できる間取りとして高い人気があります。傾斜地や狭小地に注文住宅を建てる場合は、ステップフロアを設けることで床面積や収納空間が増えたりと、限られた土地を最大限に有効活用した家づくりができるでしょう。


スキップフロアは階数に入る?何階建ては行政の判断によって異なる

スキップフロアを設けた家が何階建てとみなされるのかは、地域によって判断が異なります。建築基準法には「階」に関する明確な定義がありません。そのため、許可を出す行政の考え方次第で解釈が変わってしまうのです。

スキップフロアを活用した住宅の中には、家全体を1つの吹き抜けのようにして、2階建てなのに4〜5層の床面があるような間取りも存在します。


平屋建てでもスキップフロアは可能

平屋建てでもスキップフロアを設けることは可能です。床面の一部に高さを変えた部分を持たせたスキップフロアを取り入れることで、横に広がるフラットな平屋の空間に、縦の立体感を生み出すことができるでしょう。

平屋の屋根裏に、就寝スペースや収納場所として使えるロフトタイプのスキップフロアを設けてスペースを活用した事例もあります。段差によってゆるやかに仕切ることもできるので、本来、平屋建てでは不得意なプライベート空間も作りやすくなりますよ。


スキップフロアのメリット



ここからは、スキップフロアの具体的なメリットをご紹介します。


<メリット1>部屋に空間の広がりや開放感を感じられる

通常の間取りだと1階と2階が天井で仕切られます。一方、スキップフロアは段差で空間を区切るため、視線の抜けが良く、実際の部屋よりも視覚的に広く感じられるでしょう。また、スキップフロアを上手に活用することで、住居内全体に光を取り込むことができるため、明るく開放感を感じられる住まいになります。


<メリット2>家族の気配が伝わりやすい

スキップフロアのある家は、壁ではなく段差で空間を仕切るため、家族の一体感を感じやすいというメリットもあります。常に家族の声や気配を感じられるため、特に小さなお子さんがいる家庭では家事をしながら子どもの様子を確認しやすいため安心感が高まるのではないでしょうか。


<メリット3>収納スペースなど上下の空間を有効に活用できる

物が多くなりがちな子育て世帯などでは、収納空間はたくさんあった方がいいと思う方も多いでしょう。スキップフロアを設ければ、生まれた段差を利用した収納を増やすことが可能です。

例えば、スキップフロアを子どもの遊び場に、階段下を収納スペースにするなど、空間を有効に活用できるでしょう。高低差をつけることでデッドスペースを減らせるため、狭小住宅では、特にこのメリットを感じられるはずです。


<メリット4>おしゃれな雰囲気の家になる

スキップフロアは賃貸住宅や建売住宅で採用されているケースが少ないため、スキップフロアがある注文住宅は、個性的でおしゃれな建物と捉えられる方も多いです。好奇心を刺激する秘密基地のような空間として、お子さんにとっても魅力的ではないでしょうか。

ひとつのデザインコンセプトを持って設計された「デザイン住宅」に、スキップフロアを取り入れるのもおすすめです。


<メリット5>日当りや風通しがよい

スキップフロアを活用した家では、壁や扉、天井などの遮蔽物が少ない一つの大きな空間なため、風が家の中を通り抜けやすく、風通しが良くなります。また、窓の位置や段差の取り方を工夫することで日当たりの良い環境を創り出すことも可能です。奥の空間まで日光が届く構造にするためには、南側のフロアをなるべく高い位置に設けるとよいかもしれません。


スキップフロアのデメリット



スキップフロアを設けるなら、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。ここでは、スキップフロアのデメリットをご紹介します。


<デメリット1>建築コストが高い

スキップフロアを設ける場合、建築コストが高くなるケースが多いでしょう。一般的な戸建住宅と比べると、階段や床板に工夫が必要となるためです。このほか、壁が少ない分、耐震性を保つために、建築費をかけて強固な家にする必要があります。

このように、設計や建築の難易度が高いため施工可能なハウスメーカーは限られますし、職人の質も見極めなければいけません。


<デメリット2>住宅の断熱性能や空調設備に配慮が必要

スキップフロアのある家は、壁で仕切る場所が減り、ワンフロアのような空間が広がるため、空調が効きにくくなります。

光熱費が高くならないよう、断熱性や気密性の高い家づくりをすることが大切です。シーリングファンやサーキュレーターを活用したり、床暖房や全館空調を設置したりするなど、快適に暮らすための設備を検討してみてはいかがでしょうか。


<デメリット3>掃除がしにくい

スキップフロアによって段差が生まれるため、掃除がしにくいというデメリットもあります。ロボット掃除機が使えないという点に加え、重い掃除機を持って階段を移動したり、天井が低いフロアで体に負担がかかったりすることがあるかもしれません。

それぞれのスペースに掃除道具を置いておく、軽量のコードレス掃除機を使うなど、掃除が苦にならない工夫をしたいですね。


<デメリット4>老後は生活しづらいと感じることも

建てた住宅で何十年と暮らしていくのであれば、老後のことも考えておく必要があります。ステップフロアがあると必然的に段差(階段)が多くなるため、足腰が弱くなる老後は暮らしにくいと感じることがあるかもしれません。

お風呂やトイレ、キッチンなど生活動線を1カ所に集中させておく、ホームエレベーターを検討するなど、老後の暮らしを考えた間取りを考えられるとよいですね。


<デメリット5>プライバシーの確保が難しく、音や匂いが気になる

スキップフロアは扉で区切られていない部分が多く、プライバシーの確保が難しいというデメリットがあります。フロアごとの音は響きやすく、匂いも気になるかもしれません。

対策として、空気を循環させるために換気をよくする、設計の段階で寝る部屋や仕事部屋など音が気になる部分には壁を設けるなど、使用用途をイメージしておけるとよいですね。


【間取り紹介】スキップフロアのある住まいの実例


スキップフロアを設けた家の間取りが気になる方もいるのではないでしょうか。ここではハウスメーカーで建てられたスキップフロアのある住まいの施工事例をご紹介します。


【事例1】階段の途中に隠れ家のようなスキップフロアを設けた間取り

1階から2階へ行く階段の途中に、隠れ家的なスキップフロアを設けた間取りがあります。スキップフロアを設けて高低差を設けることで、仕切りがなくてもパーソナルスペースを作ることができます。

スキップフロアは工夫次第で、家族の勉強スペースや書斎とするほか、子どもの遊び場とすることも可能です。


【事例2】大空間のスキップフロアにリビングを設けた間取り

1階から2階へ行く階段の途中に、吹き抜け大空間のスキップフロアを設け、リビングとした間取りの実例もあります。1階にはダイニングキッチンを、スキップフロアで仕切った1.5階にリビングを配置しています。

空間をゆるやかに仕切るため、家族がそれぞれの場所で思い思いの時間を過ごしながらも、家族の気配を常に感じることができるでしょう。家族とのコミュニケーションを大切にしたい方におすすめの間取りです。


【事例3】スキップフロアのある寝室の間取り

寝室にスキップフロアを設け、「眠るスペース」と「リラックススペース」を分けた間取りの実例があります。例えば、夫婦で同じ寝室を使う場合、一人が先にベッドで休んでいても、スキップフロアという別空間があれば相手に気を遣うことなく過ごすことができます。ソファや本棚、テレビなどを置いて、お気に入りのスペースを作ってみてはいかがでしょうか。


スキップフロアの家で後悔しないために知っておきたいポイント


スキップフロアのある家を建てて後悔しないためには、どのような点を意識して家づくりを進めるとよいのでしょう。ここでは、後悔しないためのポイントを解説します。


スキップフロアの間取りが得意なハウスメーカーを選ぶ

スキップフロアのある家を建てるなら、建築実績や施工事例の豊富なハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。一戸建てにスキップフロアを設ける場合には、構造が複雑な分、光や空気の入り方、プライバシーの確保など、さまざまな配慮が必要です。

また、理想通りの設計を作り上げるには、平面図だけでなく、3D画像や模型などを使ってイメージすることが重要です。スキップフロアの設計や施工が得意なハウスメーカーの方が、安心して任せられるのではないでしょうか。


スキップフロアが延床面積に算入されるかどうかを確認

スキップフロアは、空間の高さを1.4メートル以内にするなど一定の条件を満たせば、延べ床面積に算入されず、固定資産税がかかりません。しかし、居住目的でつくる場合は、延べ床面積に算入され、固定資産税もアップしてしまいます。設計時に、あらかじめどちらのケースになるのか確認しておくと、資金計画の参考になるのではないでしょうか。


スキップフロアの間取りは後悔のないように検討を!


今回はスキップフロアのある家の間取りのポイントや実例、メリット・デメリットなどをご紹介しました。スキップフロアは居室をゆるやかに仕切るため、空間が広く感じられるといったメリットがあります。一方で、本体価格が高くなるほか、老後の生活のことも考えて間取りを検討する必要があるでしょう。

設計や建築時に後悔をしないためには、スキップフロアが得意なハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。大手ハウスメーカーなら、魅力あるスキップフロアの住まいを建築できるでしょう。家族で話し合い、満足のいくスキップフロアのマイホームを建てられるとよいですね。

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